仕事の年収を計算する際には、ボーナスの金額が重要になります。
一般企業のなかにはボーナスを支給しないケースも増えているため、平均月給が高くても年収が低くなることがあります。その点、公務員は毎年ボーナスが支給されていて、その金額もかなり高い部類に入ります。結果的に公務員の年収は高くなり、大きな魅力となっています。
本記事では公務員のボーナスにおける基本と、もらえるタイミングや金額を解説します。これから公務員を目指す人は、ボーナスでいくらもらえるのか確認しておくと良いでしょう。
公務員には毎年ボーナスが支給され、その金額を合わせた年収が計算されています。
ボーナスは年収の多くを占めるものであり、公務員はもちろん一般企業にとっても重要なものとなっています。昨今は業績悪化のためにボーナスを削減したり、最初からボーナスの出ない企業も増えています。そんなご時世においてボーナスの支給が確約されている公務員は、魅力的な職業として人気を博しています。
公務員のボーナスは、毎年夏と冬の2回支給されます。
一般企業も、夏のボーナスと冬のボーナスの2回支給されるケースが多いです。そのため、ボーナス払いで大きな買い物をしたり、住宅ローンの返済に充てたりする人もいます。ボーナスが年に2回支給されるおかげで、もらった従業員や公務員はさまざまな用途に使用できます。
国家公務員のボーナスの支給日は、夏は6月30日、冬は12月10日と決められています。地方公務員は各自治体の条例によって支給日が変わりますが、一般的には国家公務員の支給日に合わせます。ボーナスの支給日が休日の場合には、前日・前々日に銀行口座に振り込まれます。
ちなみに、一般企業のボーナスの支給日は、夏が6月末から7月初旬、冬は12月初旬から25日ごろまでが多いです。一般企業は、国家公務員のようにボーナスの支給日が明確に定められていません。それぞれの企業が支給日を決められるため、もらえるタイミングに多少の差が出るケースがあります。
公務員のボーナスの支給額は、毎年設定されます。
そのため減額になることもあれば、増額になることもあります。以下では、公務員のボーナスが決まる要因・決め方について解説します。
公務員のボーナスは、内閣官房内閣人事局による「人事院勧告」で給与方針を示したうえで、法律で定められます。法律によって規定されるため、同じ職場での個人単位でボーナスの金額が変わるようなことはありません。原則として、公務員のボーナスは、 民間の支給実績と公務員の年間の支給月数を比較し、その水準を参考に決定されます。
公務員のボーナスは、一般企業との間に給与格差が発生しないように、常に変動する形で制定されます。一方で、公務員のボーナスは、一般企業と比較すると景気変動による影響は小さく抑えられています。そのため、大きな景気変動が発生した際には、公務員と一般企業の間の格差が大きくなるケースもあります。
公務員のボーナスを計算する際には、以下の計算式が用いられます。
(給料+地域手当+扶養手当)×支給月数
地域手当とは、家賃や物価が高いと判断される特定の地域で働いている公務員に支給される手当を指します。主に東京、大阪、横浜などで働く人が対象となり、支給割合は俸給の3~20%程度です。
扶養手当とは、扶養親族を持つ公務員に支給される手当です。支給にはさまざまな条件があり、家族構成や関係性などによって給付されるかが決まります。
支給月数は、夏のボーナスの段階ではまだ決まっていないため、前年の数値を暫定的に入れて計算します。その後、人事院勧告で8月に正式な支給月数が発表されたら、改めて金額を計算する形になります。
厳密に言うならば、公務員のボーナスは在職期間で変動する「期末手当」と、勤務成績で変動する「勤勉手当」の2種類で構成されています。そのため、実際の在職期間や業績次第で、ボーナスの支給額が調整されるケースもあります。休暇を多く取得した人と、大きな業績を残した人では、ボーナスの金額に差が出る可能性もあります。しかし、これは例外的な要素であり、原則として同額のボーナスが支給されます。
2023年夏における国家公務員のボーナスは、平均で63万7,000円となりました。これは2022年の夏と比較すると9%、およそ5万2,500円の増加となります。この増加は2022年に実施された人事院勧告に基づく法改正の影響があり、平均給与額は1,800円ほど低下しています。
一般企業の場合、日本経済団体連合会による「大手企業の2023年夏季賞与(ボーナス)の1次集計結果」を参考にすると、16業種121社の平均妥結額で95万6,027円となっています。これは前年比3.91%の増加で、2年連続でプラスの結果になりました。もちろん、一般企業の場合にはボーナスがもらえないケースもあるため、すべての給与取得者が恩恵を受けているわけではありません。
ボーナスの現状をみると、給与・待遇面においても公務員になることにメリットがあると考えられます。景気動向次第でボーナスが上がる可能性はあるため、今後の状況には注目が集まります。また、公務員はどれだけ不況でもボーナスがカットされないため、住宅ローンなどを組みやすいです。会社が倒産してボーナスがもらえなくなるといった不安がないため、安心して大きな買い物に臨めます。
公務員のボーナスは、夏と冬の2回支給されます。
それぞれの金額は、景気状況や一般企業のボーナス支給額などを参考に決められ、毎年変動する形になっています。
公務員を目指す際には、ボーナスの動向をチェックし、具体的な数値を参考にして生活プランを立ててみるのもおすすめです。
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